空から水面下の地形を高密度に計測・可視化!
SAKURA-Ⅴ(サクラ ファイブ)は、ヘリコプター搭載型のグリーンレーザ(ALB:Airborne LiDAR Bathymetry)計測装置です。
従来のグリーンレーザ計測機材に加えて近赤外レーザ計測システムを追加搭載することで、より高密度のレーザ照射が可能となり、陸域の計測性能が向上しました。
- グリーンレーザと近赤外レーザを同時に照射し、陸域から水面下までの連続地形を高密度に取得
- 20点/m2以上の高密度点群を取得
- 1億画素のカメラによる垂直写真撮影が同時に可能
- 4Kビデオカメラによる録画も可能
利用分野
- 河床地形の把握、河川の面的管理、海岸保全調査への利用、水際作業の効率化などでの実績多数
- 従来の近赤外レーザでは計測できなかった水面下の地形も計測でき、水陸一連で地形を捉えることが可能
- 出水前後の二時期計測から、河床変動状況を詳細に把握することも可能
- 各時期のメッシュデータをCAD・GIS等に登録することで、任意測線の断面比較、浸食・堆砂量の算出もできます
■事例1:河床地形を把握したい!
河床では、流量や河床勾配など諸要因により、河床付近にある土砂や礫が沈降・浮遊することで形成される河床形態(河床波)が見られます。SAKURA-Ⅴではこれらの細かな形状まで把握可能です。 これらの形状は、河床変動や流速抵抗に大きな影響を与えるため、河床形態の特徴や変遷を把握することは治水管理上非常に重要となります。 |
■事例2:河川とその周辺の面的管理をしたい!
河川堤防から河床までの詳細な地形が面的かつ連続的に計測され、橋脚部においては、河床の洗掘・堆砂状況を確認することも可能です。 従来の距離標(200m間隔)ごとに深浅測量された定期横断測量成果では得られない水陸の面的地形が詳細に捉えられるため、適切な河川管理や防災対策への利用が期待されます。 |
■事例3:海岸保全調査に利用したい!
透明度の最大約1.5倍(透明度10mの場合、計測深度は最大約15m)までの、海底地形を面的かつ高密度に計測できることから、沿岸域の詳細な津波シミュレーション解析や離岸堤などの水中構造物の3次元構造を把握することができます。 また、沿岸環境(生態系)にとって重要な干潟、藻場、サンゴ礁などの環境調査にも利用可能です。 |
機材仕様
『レーザ計測装置&垂直カメラ装置:RIEGL VQ-880-GH』
『4Kビデオシステム』
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『レーザ計測装置:RIEGL VQ-480Ⅱ』
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2種のシステムを同時搭載する3つのメリット
■メリット①:陸域の計測性能強化 最大200万発/秒の近赤外レーザにより、高密度の陸域データも取得可能!中間パルスの取得も増加し、森林解析に有効なデータ取得ができます。 |
■メリット②:植生下地形の把握 様々なスキャンパターンでレーザの照射が可能となり、異なる入射角によって植生下の地形が取得しやすくなります。 |
■メリット③:樹種分類の手法への応用 波長の異なる3つのスキャナ(1550nm/1064nm/532nm)で得られた反射率情報により、従来では得られなかった新たな情報が確認され、樹種分類の手法としての活用が期待されています。 |
コラム ~グリーンレーザ測深とは?~
グリーンレーザ測深(ALB:Airborne LiDAR Bathymetry)は、航空機から水底地形を計測する技術です。 これまでの測量船による音響測深では計測が困難だった浅瀬や岩礁付近の地形を、安全かつ効率的に、高精度・高密度で計測します。 計測データを解析することで、地形を面的に可視化・3次元化することができます。 |