測量会社としても長い歴史をもつ中日本航空は、その時代ごとに最先端の機材を取り入れてきました。
このページでは、その一部を紹介いたします。

※気になる機材の画像をクリックすると、詳細説明にジャンプします。

航空垂直撮影


航空レーザ計測


リモートセンシング

過去の機材詳細

 

アナログカメラ(RC-10)


 当社の航測事業が本格化したのは、1971年にアメリカからフェアチャイルド 社製K-22型を導入してからでした。
翌1972年にはスイス・ウイルド社製のRC-10が導入されました。
導入するにあたり、それまで使用機体がセスナ式172型だったものが、ひとまわり大きなセスナ式206型に変更されました。

RC-10は、カメラ本体(フィルム駆動部分)とレンズコーンが分離されたモデルであり、機上でのフィルタ交換が可能でした。
さらにファインダーがカメラ本体と一体化し、正像で被写体を確認できるようになったことで、視認性が向上しました。

また、オーバーラップ調整器がファインダーに内蔵され、オーバーラップの調整が容易となりました。

RCシリーズはその後もRC-20、RC-30と世代交代しながら長く使用されました。


アナログカメラ(RC30)


 RC-30カメラは高感度レンズコーンを搭載し、ぶれ防止機能(FMC)や自動露光コントロール機能(PEM)を備えた垂直写真用フィルムカメラです。

基本的な機能は中央ドライブユニットに集約され、レンズコーン、フィルターフィルムカセット等交換可能なモジュールがコンパクトにまとめられていました。
使用レンズは150mm・210mm・300mmを備え、さまざまな用途の撮影に対応可能でした。

作業中は撮影士が地上物の確認をしながら撮影を行い、災害緊急時等の撮影に対して柔軟な対応が可能となっておりました。

GPS/IMUと接続させることにより、撮影時のカメラ位置(xyz)及びカメラの角度(ω Φ κ)を正確に特定することができました。



航空レーザシステム(ALTM2050DC / ALTM3100DC)


 航空レーザ測量技術の開発は、1995年から中日本航空とNEC(日本電気)との間で共同で進められ、1996年にレーザスキャナを用いたヘリコプター搭載型地形計測システム第1号が完成しました。
それ以降当社ではレーザシステムを駆使し、日本の地形を計測し続けております。

ALTM2050DCでは固定翼機からレーザ計測を行い、精密な3次元地形モデルを作成することができました。
また、ALTM3100DCは固定翼・回転翼の両方に搭載可能なように修理改造を行いました。

付属デジタルカメラでデジタルオルソ画像を同時に取得出来る為、防災や環境調査への貢献や災害時の迅速な被災状況把握など、広範囲にわたり活躍しました。

固定翼機に搭載し測量を行なう事により、迅速に大面積の地形モデルを作成する事が出来る他、高いレーザパワーにより山間部などの厳しい地形においても効率的かつ安全に測量を行なう事が可能となりました。


ALTM 2050DC 機体搭載状況



ALTM-3100DC


マルチ・スペクトラル・スキャナ(MSS_J-SCAN-AT-5M)


 中日本航空は、ジルコ社が開発した国産第1号の赤外線スキャナ(THP-1を改造したJ-SCAN-AT-1)を利用して、1971年からリモートセンシングの第一人者として温排水調査や地熱調査を行ってきました。

1974年には赤外線スキャナの性能を向上させたMSS(マルチ・スペクトラル・スキャナ)のJ-SCAN-AT-5Mが完成し、使用機としてセスナ式402型双発機を導入しました。
このMSSは、赤外線+可視光+熱赤外線を5バンドで取得することが可能で、陸海域調査に使用されておりました。

以降、J-SCAN-AT-シリーズは12M,18M,2H,5MⅡと改良・開発を加えながら、長きに渡り使用されてきました。


ハイパースペクトラルイメージャー(CASI-3)


 CASI-3は可視光から近赤外光までの波長帯において、地表面の状態を計測することができる航空機搭載型のハイパースペクトラルイメージャーです。

観測波長域を最大288バンドで取得することができるため、詳細なスペクトルの解析を行うことができました。さらに、空間分解能が0.47mradと高分解能であるため、樹木1本ごとの識別をすることができました。

また人工衛星にあるような観測時間帯の制限がなく、天候を選んで着実にデータを取得することができました。



マルチ・スペクトラル・スキャナ(AZM_J-SCAN-AT-ZM)



 AZMは、地表面温度を計測することができる航空機搭載型のMSS(マルチ・スペクトラル・スキャナ)です。

取得波長は、約400nm~12μmと幅広い波長域を有しており、それを活かして樹種判読等の森林調査や土地被覆分類に利用しておりました。

熱赤外域の波長を活用した地熱調査やヒートアイランド調査等にも活用されました。

また、地上分解能は1.25mradと高分解能で、取得バンド数も最大で24バンドの選択が可能でした。