グラウンドデータから任意の距離に位置する点群だけを抜き出した下層モデル(S-DEM:Substratum Digital Elevation Model)を利用し、斜面の変動量を高精度で解析する手法を開発しました。
地すべり地内で発生した岩屑すべりの変動状況など、地形の微量な変動を詳細に把握することができます。



① 測る:航空レーザ測量(SAKURA)

当社の航空レーザ測量システム(SAKURA)を使用して、1m四方あたり16点(約25cm間隔)でレーザー光を照射します。
植生下においても地表面データが連続的に取得できるように、計測点間隔や計測パラメータ(飛行高度や速度、発射回数など)は対象箇所の状況(植生繁茂状況、起伏や斜面の向き)に応じて決定します。


図1. 最新の航空レーザ測量


図2. SAKURA搭載のヘリコプター


SAKURAは「高精細・高密度航空レーザ測量 システム」としてNETIS登録された技術であり、ヘリコプターに搭載した波形記録方式のレーザ測量装置により、地形を実測なみの精度で測量できます。
レーザー光を高密度で照射することで、樹木下の下層植生 や露岩などを詳細に把握することが可能となります。


② 観る:高度なデータ処理


自社開発した3次元点群ビューワ”Mierre(ミエール)"は、航空レーザにより取得された三次元データをメッシュ化することなく扱えます。
森林に覆われた場所では、地形を鮮明化する技術“S-DEM”を使用し、転石や崩壊地をオーバーハング形状に関わらず様々な角度から観察できます。


図3. 3次元点群ビューワ"Mierre"でS-DEMを使用した例

③ 分析する:変動ベクトル解析

S-DEMで可視化された詳細な凹凸を特徴点として、2時期の地表面変状を調査します。ある地点が以前どこに位置していたかを自動的に探索し、その地点の動きを三次元の変位ベクトルとして計算します。
詳細なデータを使用することで数十cmの解像度で地表面の三次元変位分布を得ることができ、地すべり地の不安定斜面の把握や、その活動をモニタリングするのに有効です。


図4. 変動ベクトル解析