固定翼機による医療搬送(メディカルウイング)

中日本航空は、医療アシスタンス会社等との連携による、機体搭載用の専用ストレッチャーを備えた小型固定翼機による患者搬送、(公社)日本臓器移植ネットワークの要請による脳死ドナーから提供された移植用臓器の搬送など、固定翼機による医療搬送についても国内有数の実績を有します。
北海道航空医療ネットワーク研究会(HAMN/ハミン)による医療優先固定翼機研究運航事業では、延べ12ヶ月間の運航を実施、臓器搬送では1999年2月の第一例目より200回を超える搬送実績があります。

このたび、活動の成果が実り、平成29年度国庫補助事業の「へき地保健医療対策実施要綱」にメディカルジェットが追加され、北海道を実施主体として患者搬送固定翼機運航事業が行われることとなり同研究会が事業を受託いたしました。平成29年7月30日から、同事業による運航を開始しております。

ヘリコプターでは運航が厳しいと考えられる遠距離や悪天候時の搬送も、医療用固定翼機を使うことで、患者への負担が少なく、スムーズな搬送チームの移動が可能となります。

その他の医療搬送については、中日本航空までお問い合わせください。なお、お問い合わせ先は「飛行機」を選択してください。折り返し担当者より必要事項についてご連絡いたします。

メディカルウイングとドクターヘリの違い

メディカルウイング


活動範囲日本全国の空港間
運航目的緊急性や重症度の高い患者を安定して効率的に搬送することで、高度・専門医療の広域化・平準化を実現します。

ドクターヘリ


活動範囲半径約50〜100キロ圏内
運航目的救急現場に医師を可及的速やかに搬送し、初療開始時間を早めることで、救命率を向上させます。

こんな搬送ニーズにも応えます

高度・専門医療が必要な場合や、医師が継続的な管理下で搬送する必要がある場合に対応します。具体的には、緊急性・重症性高い患者の「緊急広域搬送」や、医師が患者を治療するための「緊急医師搬送」をはじめ、旅行や出張中に重篤なケガや病気になった患者を地元に搬送する「社会的医学管理搬送」「臓器搬送」などがあります。

CASE1 緊急広域搬送

釧路→札幌丘珠:(北海道内):40分
病院-病院:所要時間:1時間35分


道東の病院から緊急要請があり、札幌丘珠空港を11時20分に離陸。釧路空港で新生児が入った保育器を機内に乗せ、付き添いの医師や看護師らとともに、札幌丘珠空港に12時45分に戻った。患者は手術のため札幌の病院に搬送した。

CASE2 社会的医学管理搬送

新千歳→関西国際:飛行時間:2時間35分
病院-病院:所要時間:5時間25分


北海道を旅行中、一時心肺停止した男性を蘇生後脳症の状態で搬送。新千歳空港を10時40分に離陸。関西国際空港に13時15分に着陸。継続的医学管理を実施しながら、地元和歌山の病院まで搬送した。


CASE3 臓器搬送


[心臓チーム]
札幌丘珠→関東の空港:飛行時間:1時間40分
病院-病院:所要時間:2時間30分
[肺チーム]
新千歳→中部国際→福岡:飛行時間:3時間15分
病院-病院:所要時間:6時間


北海道の病院で脳死と判定された男性から臓器が提供され、メディカルウイングが臓器を搬送した。心臓は札幌丘珠空港を17時35分に離陸。関東の空港に19時15分に着陸、埼玉の病院に19時35分に到着した。肺は新千歳空港を19時35分に離陸。中部国際空港から機体を乗り継ぎ、福岡空港に23時15分に着陸。福岡の病院に搬送した。


メディカルウイングの運航実績

平成22年1月北海道ダスキンより寄付の申し出を受ける
同年3月道立札幌医大浅井教授、北海道医師会目黒常任理事による発起人会開催。
同年5月北海道航空医療ネットワーク研究会設立
同年9月1ヶ月間の研究運航を実施。
平成23年2月北海道の地域医療再生計画(3ヵ年)として、12ヶ月分の研究運航の機会を得る。
同年11月2ヶ月間の研究運航を実施。
平成24年6月8ヶ月間の研究運航を実施。
平成25年7月2ヶ月間の研究運航を実施。
平成28年6月10ヶ月間の実証事業運航を実施。
平成29年7月北海道患者搬送固定翼機運航事業を開始。

関連項目