SAKURAで計測した3次元地形データ(DEM)と国土地理院2万5千分1地形図を重ねあわせたもの

全国に点在する遺跡について、その分布や地形要素など、空間情報としてのアプローチは、遺跡の保存や整備にとって必要とされています。
高精細な航空写真やDEM (数値標高モデル)から、考古学専門家はもちろんのこと一般市民にも解りやすく可視化した地形や地物の表現が可能です。
中日本航空では、SAKURA(ヘリコプター搭載型航空レーザ計測&マルチカメラシステム)による計測技術と、計測された3次元データの可視化技術により、地形解析図、動画コンテンツ、立体模型、GISの活用など、お客様の多様なニーズにお応えします。



技術・機材

レーザ計測システムでは、近赤外画像と同時に3次元データが得られます。緑地の鳥瞰表示や樹高算出も可能となり、幅広い調査が行えます。

撮影画像の他に赤外画像を同時に得られますので、得られた画像を処理することにより緑地の分布を写真に重ね合わせることができます。


製品・成果


中世の山城遺構〔七尾城跡(石川県七尾市)〕

七尾城跡は、七尾市街から東南約5kmに位置し、国の史跡となっています。
 東西約1km、南北約2kmの広い範囲に標高300m主郭を中心として石垣や土塁などを構築し、各尾根上には平坦面となる曲輪遺構が段々に築かれています。
SAKURAの計測結果により、石垣や堀切などの遺構を確認することが出来ます。


SAKURAで計測した航空写真データ(左)と3次元地形データ(右)。S1~S4は、ヘリコプターの計測コースを示す。


近世の平城〔名古屋城(愛知県名古屋市)〕

SAKURAにより近世の代表的な平城である名古屋城を計測しています。連結式層塔型(大天守5層5階、小天守2層2階)の形状や、大天守の屋根の上に載せられた金鯱(金のしゃちほこ)が見てとれます。平成24年1月に計測しており、南側に本丸御殿の再建工事が実施されています。


左上:高精細斜め写真、右上:色付き点群(レーザ点群に斜め写真のカラーを付加したもの)、左下:反射強度、右下:標高断彩図