安全への取り組み

2016年度 安全報告書

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はじめに


「2016年度 安全報告書」発行にあたって


平素より中日本航空株式会社をご利用いただき、誠にありがとうございます。
ここに「2016年度 中日本航空株式会社安全報告書」を作成いたしました。
ご一読いただき、弊社の安全への取り組みについてご理解賜りますようお願い申し上げます。
2017年度も、全社員一丸となって安全運航に向けたあらゆる取り組みを行うとともに、「中日本航空 安全方針」に基づき、運航の安全確保に関する基本理念の一層の浸透と定着化を図ってまいります。
弊社は、安全方針第一項の「安全確保は事業活動の基盤であり、すべてに優先します。」を堅持し、「広くご利用の皆様に信頼され、愛される中日本航空」を目指していく所存です。
今後とも皆様のより一層のご愛顧を賜りますとともに、引き続きのご指導ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2017年 8月


1 安全を確保するための事業の運営の基本的な方針


(規則第221条の6第1号)

名鉄グループ企業倫理基本方針

中日本航空株式会社は、名鉄グループの一員として「名鉄グループ企業倫理基本方針」に従い、自らの役割と責任を明確にして行動します。

  1. ルールの遵守(法令遵守の徹底)
  2. 安全の確保
  3. 公正な事業活動
  4. 積極的なコミュニケーション活動
  5. 人と社会の尊重

上記の5つを基本原則とし、前例や既成概念にとらわれることなく、オープンで風通しの良い企業風土を築き上げます。

中日本航空 安全方針

中日本航空株式会社は、運航の安全の確保に関する基本理念として次の「安全方針」を策定し、これに従い行動します。

  1. 安全確保は事業活動の基盤であり全てに優先します。
  2. 定められたルールに従い業務を遂行します。
  3. 安全性の継続的な改善に取り組みます。
  4. 正確な情報の収集・伝達・共有を図ります。

2 安全を確保するための事業の実施及びその管理体制


(規則第221条の6第2号)


2.1 安全管理体制


中日本航空では、安全管理体制(組織・仕組み・機能・役割等)を有しており、経営トップから現場まで一丸となって、いわゆる「PDCAサイクル」の考え方を取り入れ、継続的な活動を行うことにより運航の安全の水準の維持及び向上を図っており、これらを安全管理規程に定めています。

(1)安全管理体制の機能図



(2)人員に関する情報(2017年3月31日現在)


ア 各組織の人員数
安全運航推進委員会安全推進室安全監査室輸送の安全に係る部署
22名2名
(他、兼務者2名)
3名
(兼務監査員23名)
523名
(左記の人員数を含む)
イ 航空機乗組員及び整備従事者の数
航空機乗組員整備従事者
121名249名
ウ 運航管理者及び整備従事者のうち有資格者の数
有資格運航管理者有資格整備士
6名216名

(3)安全確保に関する組織の機能・役割の概要


ア 安全運航推進委員会

全社的な安全運航体制の継続的な改善を図るための最高審議機関として、社長を委員長とした安全運航推進委員会を設置し、毎月の委員会において安全に係る事項についての報告、検討、評価、社内展開等を行っています。


イ 職場安全会議

各部署では、職場安全会議を毎月1回開催しています。安全意識の高揚、職場での問題点の討議及び改善、安全に関する情報の共有、ヒヤリハット、不具合事例等の報告・水平展開等を行って安全活動の拡大・活性化を図っています。


ウ 安全推進室

「安全運航推進委員会」の事務局を担当し、安全全般に係る全社的な方針、計画を策定し、推進を図ります。安全管理体制に係る安全の教育・訓練、安全意識高揚のための施策等を企画、立案します。


エ 安全監査室

安全管理体制に係る部署等への内部監査を実施しています。監査により不具合が確認された時は、改善要求を行い、改善措置の実施を確認します。


2.2 日常運航の支援体制


(1)定期訓練及び審査の内容

操縦士及び整備士等の定期訓練、審査の内容については、航空局の「運航規程審査要領:空航第58号」、「整備規程審査要領:空機第73号」及び「航空運送事業及び航空機使用事業の許可及び事業計画変更の許可審査要領:空機第68及び69号」に基づき、社内規定等を設定し、定期訓練及び審査を実施しています。さらに、独自の教育・訓練も行っています。

ア 操縦士

◆ 定期訓練
操縦士に対して、「運航上必要とする知識」及び「使用航空機に関する知識」を維持、向上するための定期的な訓練を実施しています。

◆ 定期審査
操縦士に対して、乗務に必要な知識及び能力を有することを確認するための審査を半年又は1年に1度実施しています。

◆ その他実施している訓練等
・CRM訓練 ※1
・RVSM ※2、RNAV ※3訓練
・運航気象条件訓練
・本格的な冬を迎える前の冬期安全講習会
・冬期運航訓練
・海外での操縦訓練、シミュレーター訓練
・実機を使用した緊急脱出訓練
・水上サバイバル訓練
・安全に関しての勉強会を毎月1回開催 等



※1 CRM(Crew Resource Management)訓練
操縦室内の全ての利用可能な資源(機器、人、情報等)を最適に利用するため、知識、スキル、コミュニケーション、状況認識、問題解決、意思決定、そしてチームワーク等を向上させるための訓練です。

※2 RVSM(Reduced Vertical Separation Minimum:短縮垂直間隔)
空域の容量拡大・有効利用の観点から、29,000フィート(約8,850メートル)以上41,000フィート(約12,500メートル)以下の高度帯において、垂直管制間隔を現行の2,000フィート(約600メートル)から1,000フィート(約300メートル)に短縮する方式をいいます。

※3 RNAV(area navigation:広域航法)
機上に自蔵航法装置等を備えることで、従来の無線航法のように航空保安無線施設の位置に左右されることなくルートを設定する航法システムです。


イ 整備従事者

◆ 定期訓練
整備従事者に対して、整備規程及び業務規程に基づき、法規等の改正への適応、品質管理体制の向上、整備技術上の不具合の周知、整備技量維持及びヒューマンファクターに係る不具合防止等を図るため、2年ごとに訓練を実施しています。

◆ その他実施している訓練等
整備基礎訓練、整備資格者養成訓練、冬期運航に関する訓練やRVSM、RNAV運航に関する教育訓練、社外訓練としてメーカーによるエンジン、機体システム、アビオニクス訓練等、各種訓練を実施しています。また、認定業務従事者に対する初期訓練、限定追加訓練、復帰訓練、定期訓練、臨時訓練及びOJT等を随時実施しています。

ウ 運航管理者等

◆ 定期訓練
運航管理者等に対して、訓練・審査規程(運航管理者)及び運航規程(運航管理担当者等)等の規定に基づき、業務に必要な最新の知識を付与し、能力の維持向上を図るため、定期的な訓練を実施しています。

◆ その他実施している主な訓練
①任用訓練
運航管理者等、訓練教官及び審査担当者を任用するために実施します。
②資格取得訓練
 運航管理者の資格を取得するために実施します。
③復帰訓練
 運航管理業務を連続して1年以上離れ、再び運航管理者等として業務に従事する場合に実施します。
④RVSM訓練
 RVSM航行に必要な知識を付与するために実施します。
⑤RNAV訓練
 RNAV航行に必要な知識を付与するために実施します。

(2)日常運航における問題点の把握とその共有、現場へのフィードバックの体制

ア 操縦士は、航空法で定められた機長による義務報告事項に加え、日常の運航における機長報告を行っています。特に、報告の中で安全に関する事象の把握に努め、改善が必要な事象については、他部門と連携して改善するとともに、情報共有を図っています。

イ 整備従事者は、問題点や不具合事項を把握した場合、整備規程に定められた手順に従って報告又は連絡を行い、必要に応じて品質保証部、整備部から業務連絡及び技術通報等を発行して周知します。

ウ 運航管理者等は、動態管理システム等を活用して運航状況を常に把握し、気象情報、飛行区域に関する航空交通情報等を機長に提供する等、必要な援助を行います。飛行後は、機長から運航状況の報告を受け、その内容を分析し、報告書作成等の必要な措置を講じます。

エ 各部署において、安全に関するミーティングを月1度以上定期的に実施しています。

オ 各部署に配置された安全運航推進担当は、「機長報告」、「ヒヤリハット報告」等により運航状況の把握に努め、これを分析して関係者に通知します。

2.3 使用している航空機の情報

2017年3月31日現在、飛行機10機、ヘリコプター62機の計72機の航空機を使用しています。
詳細は、以下のとおりです。

◆飛行機     機数合計:10機   平均機齢:23年

機種機数座席数年間平均飛行時間
(h/機)
導入開始年平均機齢
(年)
セスナ式172P型232771986年36
セスナ式208/B型391681992年18
ビーチクラフト式B200型292781999年11
セスナ式560型382801998年27

◆ヘリコプター  機数合計:62機   平均機齢:18年

機種機数座席数年間平均飛行時間
(h/機)
導入開始年平均機齢
ベル式206B型341851977年27
アエロスパシアル式
AS350B/B1/B2型
1152131983年29
アエロスパシアル式
AS350B3型
752012003年8
MDヘリコプターズ式
MD369型
342142002年27
アエロスパシアル式
AS355N/F2型
551711990年26
ベル式430型691931997年15
ユーロコプター式
EC135P1/P2/P2+型
1971772000年9
ベル式429型171832011年8
アエロスパシアル式
AS365N2型
1132102009年9
ベル式412EP型1142621995年22
富士ベル式
204B-2型
294871977年31
アエロスパシアル式
AS332L/L1型
3255021988年28

3 航空法第111条の4に基づく安全上の支障を及ぼす事態の報告

(規則第221条の6第3号)

2016年度に航空局に報告を行った事象で、航空法第111条の6に基づき安全報告書により公表が求められている航空運送事業に関する報告件数は、以下のとおりです。

3.1 航空事故・トラブル等の発生状況について

機種2014年度2015年度2016年度
航空事故 ※40(0)0(0)0(0)
重大インシデント ※50(0)0(1)0(0)
安全上のトラブル ※6011

※航空事故、重大インシデントについては、航空機使用事業に係る件数を括弧内に外数で記入しています。

※4 航空事故
航空法第76条に定められている「航空機の墜落、衝突または火災」、「航空機による人の死傷または物件の損壊」等の事態が該当し、国土交通省が認定します。

※5 重大インシデント
航空事故には至らないものの、「航空事故が発生するおそれがあると認められる事態」であり、滑走路からの逸脱、非常脱出等が該当し、国土交通省が認定します。

※6 安全上のトラブル(義務報告)
2006年の航空法改正により、航空事故や重大インシデントに至らなかった事案に関する情報についても、未然予防対策に活用していくことを目的に、「その他の航空機の正常な運航に安全上の支障を及ぼす事態」(安全上のトラブル)を国に報告することが義務付けられました(航空法111条の4)。報告された情報は、国土交通省航空局で統計的な分析が行われ、安全施策へ反映されます。また、インターネットシステム(ASIMS)を通じて航空安全情報を航空事業者間で共有する仕組みが設けられています(航空法第111条の5)。

3.2 航空事故・トラブル等の概要及び対策

航空事故及び重大インシデントは発生しませんでした。
安全上のトラブルは1件発生しました。概要は以下のとおりです。

安全上のトラブル機種概要及び処置
一次構造部分の亀裂アエロスパシアル式
AS332L1型(JA6717)
・2017年1月30日、メーカーの定時整備(7500H/12Y)中、胴体部に2か所、テールブームに1か所、計3か所の亀裂が発見された。
・当該箇所の修理は国内メーカーにて適切に実施された。

4 安全を確保するために講じた措置

(規則第221条の6第4号)

4.1 国から受けた行政処分または行政指導等

2016年度において国から受けた行政処分・行政指導は、ありませんでした。

4.2 2016年度の安全目標の達成状況

2016年度の安全目標に対する主な取り組みの実施状況は次のとおりです。

・航空事故ゼロ・重大インシデントゼロ

航空事故及び重大インシデントは、発生しませんでした。
本目標は、航空機を使用して事業を営む会社にとって永遠の目標であり、来年度も引き続き「航空事故ゼロ・重大インシデントゼロ」を目指します。

・ヒューマンエラーに起因する不具合の減少

ヒューマンエラーに起因する不具合事例の件数は減少傾向にありますが、「人はエラーをする」ことは避けられません。引き続きヒューマンエラーが起こりにくい職場環境を整備するとともに、ヒヤリハット情報の収集及び不具合事例からハザードを特定し、そのリスクを分析、必要に応じた是正措置を実施し、未然防止を重視した取り組みを強化します。

・「安全は全てに優先する」意識の定着化

安全指標及び目標値として設定している各部署の職場安全会議開催率は100%となり、安全情報の共有、討議が活発に行われています。また、ヒヤリハット報告などの自発的報告件数は継続的に伸び、意識の向上が表れています。
今後も継続的かつ適切な安全推進活動を実施し、安全最優先の意識の強化に取り組んでまいります。

・安全確保に必要な投資の継続

計画していた航空機の更新等を実施しました。
安全確保のための投資は、最終的には会社及び社員の利益に直結することを踏まえ、来年度も積極的に資機材の新規導入や更新、環境整備や施設の改善、社内外での教育訓練の実施等の人材育成に投資を行い、目に見える安全施策として活用してまいります。

4.3 安全に関する取り組み状況

(1)安全に関する教育・啓発活動等の取り組み

◆ SMS教育

運輸安全マネジメント制度に基づくSMS(Safety Management System)について、階層別に従業員への教育を実施しています。

◆ 安全方針の浸透・定着

全従業員への安全方針カードの配布、各部署でのポスター掲示等を行い、安全方針の浸透及び定着を図っています。

◆ 航空安全週間

毎年5月に弊社独自の航空安全週間を設けています。過去の事故を風化させず、安全意識の向上を図るため、様々な行事を行っています。

◆ 社内巡視

航空安全週間及び年末年始安全総点検時に、社長・役員等による現場巡視及び社員との直接対話を実施し、安全マネジメント活動の浸透状況を確認するとともに社員の安全意識の高揚を図っています。

◆ 安全講演会

社外から特別講師をお招きし、安全に関する講演会を開催しています。

◆ 安全情報誌の発行

毎月「安全情報誌」を発行し、安全を考え、学ぶための機会を設けています。

◆ 安全標語及びポスターの掲示

社内から公募により選出された安全標語やポスターを各部署に掲示し、安全意識の高揚を図っています。

◆ CRM(クルー・リソース・マネジメント)訓練を拡充しています。
◆ 海外メーカー等において、操縦士及び整備士の訓練を計画的に実施しています。

(2)その他安全に関する取り組み


◆ 航空機の機体更新を積極的に進めるとともに、更新に当たってはTCAD(空中衝突警告装置)・GPS受信機等の安全装備の充実を図っています。

◆ 全国の運航を本社で一元的に管理していますが、運航の支援と監視を向上させるため、VHF無線のネットワークの充実を図りました。また、動態管理システムの更なる質、機材数の拡充を図っています。

◆ 各部署に対し定期的に内部監査を行い、不具合要因の発見と是正に努めています。

4.4 2017年度の安全目標

2017年度の安全目標は、2016年度に実施した安全推進活動やマネジメントレビューの結果を踏まえ、未達成の事項や継続が必要な事項を引き続き実施していく必要があるため、前年度とほぼ同様といたします。
また、航空機を使用して事業を営む会社として目指すべき最大の目標である「航空事故ゼロ・重大インシデントゼロ」は、引き続き最上位の目標として掲げました。
様々な教育訓練活動の強化、各職場における安全会議等の開催によるコミュニケーション強化等を図り、更なる安全及び信頼の向上に取り組んでまいります。

  • 航空事故ゼロ・重大インシデントゼロ
  • ヒューマンエラーに起因する不具合の減少
  • 「安全は全てに優先する」意識の浸透
  • 安全確保に必要な投資の継続