CAST(Compact Airborne Spectral&Thermal Sensor)は、可視から近赤外の領域と熱赤外域データを同時に取得できる最新鋭の航空機搭載型リモートセンシングシステムです。
航空機に複数センサを搭載し、同時にデータを取得することにより、可視域~近赤外域・熱赤外のデータを、50cm以内となる高解像度、かつ熱赤外域のデータは、0.05℃という温度差で把握可能です。これまで不可能だった詳細かつ多角的な調査と解析を可能にしています。
CASTに加えレーザ計測装置を同時搭載することにより、ハイパースペクトルデータや熱赤外データとLiDARデータとの複合解析も可能となります。
都市・森林・河川・海岸と様々な場面で活躍が期待できます。



技術資料


機器名CASI-1500HTABI-1800
センサタイプ可視~近赤外域プッシュブルームセンサ熱赤外域プッシュフレームセンサ
観測波長帯380~1,050nm3.7~4.8μm
観測バンド数最大288バンド1バンド
画素数(観測幅方向)1,500画素1,800画素
観測角40°(対地高度1,000mで観測幅約730m)40°(対地高度1,000mで観測幅約730m)
瞬時視野角0.49mrad(対地高度1,000mで解像度約50cm)0.405mrad(対地高度1,000mで解像度約40cm)
波長サンプリング間隔2.4 nm
標準温度レンジ-20~150℃(高温モード切替時:-20~500℃)
半値幅3.5 nm未満
温度分解能0.05℃以下
ダイナミックレンジ14bit(16384:1)14bit(16384:1)

利用分野

土地利用分類



スギ・ヒノキや落葉広葉樹・常緑広葉樹といった樹種ごとの分類や、土地利用の詳細な分布状況を把握することができ、適切な森林及び土地利用管理に役立てます。
また、反射特性に特徴のある樹種や人工物など、特定地物の抽出にも有用です。


都市熱環境調査


都市におけるヒートアイランド現象の実態を面的かつ詳細に把握することができます。
さらに、その対策として実施されている保水性舗装や緑化などによる温度抑制効果を、視覚的に分かり易く知ることができるため、都市環境づくりの基盤情報として活用できます。


沿岸環境や河川水質の把握


緑:アラメ・クロメ類 橙:ホンダワラ類 紫:混生

海や河川の沿岸環境(生態系)にとって重要な、藻場や干潟、サンゴ礁などの種別や分布状況を把握することができます。
また、濁度や植物性プランクトン量などの水質状態を把握することもできます。


火山地熱調査


三原山火口周辺:地熱活動による高温部が確認できる

火山活動による地熱の熱異常箇所の検出や、森林火災の拡散状況を詳細に把握することができます。また、モニタリング観測を実施することで、火山活動の監視や火災の拡大/収束状況を的確に把握することができ、火山防災や消防活動のための基礎情報となります。


植生活性度分布状況の把握


ハイパースペクトル画像

タンパク質含有量の違いを上空から検出して、圃場単位でお米の美味しさを把握することができます。
これにより、これまで困難であった米品質の定量化や、付加価値を付けた生産/販売戦略のための有益な情報となります。
また、近年全国的に発生しているマツ枯れやナラ枯れの樹木位置を特定することができます。

野生動物棲息状況調査


高解像度の熱映像から、シカやウシなどの動物を個別に把握することができます。
また夜間に活動する野生動物に対し、ストレスを与えることなく上空からモニタリングすることが可能です。
近年環境問題化しつつあるシカの食害では、その実態把握が急務です。
シカの個体数や分布域など棲息状況を把握する手段として、効果を発揮することが期待されています。


航空レーザとの複合解析(Hyper Mapper)


森林資源情報を単木的に捉える
ハイパースペクトルセンサ+波形記録式航空レーザ計測システム


左:ハイパースペクトルセンサによる樹種分類結果 右:レーザによる樹高計測結果

レーザ計測システムとCASTセンサの複合解析により、樹高・材積だけでなく、樹種の分布や森林の健全度などを広域かつ効率的に捉えます。





ビル屋上の熱環境を多角的に捉える
熱赤外センサ+波形記録式航空レーザ計測システム+航空測量用デジタルカメラ


3Dモデル

3Dモデルとの熱データの重ね合わせ

CASTセンサとレーザ計測システムを複合解析することで、温度分布を詳細かつ立体的に把握することができます。


関連項目